IT経営マガジン

COMPASSONLINE

「ITのホント、経営のヒント」を現場目線でわかりやすく紹介!
参考事例をきっと探せる、中小企業のIT活用情報サイトです。

編集長ブログ

COMPASSの取材で出会ったこと、訪問地域、考えたことについてつづります。
≫プロフィール

私は何両目に乗っているの?―JR東日本アプリ①

2016.03.24


新橋から有楽町駅に向かう、ある日の山手線にて。

スマートフォンのアプリを立ち上げると、画面にはこんな表示が出ました。

 

yama

一番左、11から番号が振ってあるのが車両編成。
赤は、11両編成のうち、私が6両目に乗っていることを示しています。
続いて各車両の混雑状況(6両目、混んでるじゃない!)、温度。

細かい、細かすぎる! そこまで知ってどうしようというのか(と言いつつ、すいている4両目に移りたくなりましたが…)

こんなことまでわかっちゃうのが今の山手線です。

これは、JR東日本が提供している「JR東日本アプリ」のサービスの一つ。
すでに160万以上のダウンロード実績があり、「MCPC award 2015」でグランプリを受賞するなど、評価を受けています。

スマホから「JR東日本アプリ」を検索すれば、誰でも無料でダウンロードできます。
JR東日本地域以外にお住まいでも、首都圏に行らっしゃるなら便利です。

  ・アップル系はこちら

  ・アンドロイド系はこちら

アプリ全体の内容については、その2に書きますが

なかでも山手線は情報が充実しており、
「山手線トレインネット」という専用のコンyama2テンツが提供されています。

しかし、しかし…。なんで自分のいる車両がわかるわけ?

監視されてる? ちょっと怖い(笑)。

アプリを立ち上げたときに何らかの交信があるとはいえ、
GPSでも、どの車両かまではわからないはず。そもそも電車も動いてますし。
どういう仕組みなのでしょう…??

JR東日本のICT情報発信プロジェクトチームの方に伺いました。

 

●「今、乗っている車両がどこか」がわかる理由

なんと、使っているのは、「スマホのマイク」だそうで。

盗聴、ではありません。

山手線の各車両には、近距離に電波を発信するBeaconという設備があり、音波Beacon方式で信号を発信しています。

利用者がJR東日本アプリを立ち上げた時に、スマホのマイクから音波Beaconを受け取り、そのIDから車両を特定するのだそうです。

音波――それらしき音、聞いたことないのですが。

「人の耳には聞こえない音波なのです」とのことでした。

開発にあたっては、無線LANやBluetoothなどの通信方法が候補に挙がったものの、利用者がこの機能をONにしていないと使えないことや、隣の車両との誤認識の可能性が懸念材料だったそうです。

音波Beaconの受信なら、アプリ+スマホの機能でできるため、利用者側への負担がないのです。

ここまで吟味して、瞬間の情報をとらえて発信するとは、恐れ入りました。

それにしても、Beacon装置が山手線車内のどこに埋め込まれているのか、気になります。。。