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IoT時代,手作業の価値&価格

2017.07.04


昨日は小千谷商工会議所でセミナーがありました。小千谷、のどかで穏やかで産業が動いている町でした。

帰りがけ、小千谷縮の小千谷織物工房にご案内いただきました。「FreeFrom」と名付けられたデザイン性が洋服や小物が販売されており、ジャケットやワンピースなど、洋服との相性はかなり良いです。見た目にも涼しげ。お値段はそれなりですが、どんどん蒸し暑くなる日本の夏、一つ持ってみたいと思わせる魅力がありました。

東京オリンピック・パラリンピックの公式ユニフォームに採用してもらうべく、働きかけているそうです。

洋服を筆頭に、最近は低価格路線が進んでいます。いかに安く使えるモノを買うかが重要視され、女性向けのファッション雑誌をめくると、20年前より一桁下がるほどの低価格路線に変貌しています。

そして、モノとモノがデータをやり取りして自動化で圧倒的な効率化を図るIoT。

セミナーを開催すればどこも満員、補助金の申請に通るには「IoT」という言葉を入れるべしとささやかれるなど、など、ある意味ブームです。確かに、IoTをうまく使えば、少ない人手で多くのものを生み出せますから、うまく使いこなしたいものです。

IoTの活用でさらに製造の自動化が進むと、人の手がかかっている商品は相対的にさらに高級品になります。
小千谷紬のワンピースは2万円代。パッと見、似た感じの洋服、今なら1000円代で買えるかもしれません。

二極化が進むなかで、どうやって価格と価値の関係を納得してもらうか。対抗する商品が7000円ならともかく1000円だと、いくら良い商品でも、買う側の感覚がついていけない可能性があります。売り手側に、努力が必要になってきますね。

その一つは、購入する顧客側の「良いものを感じ取る力」「それらを生活に取り入れる価値観」の醸成かもしれません。
 上質を知ること、風合いやにおい、手触りを楽しむこと。単独商品ではなく、多様なメーカーが集って、場を提供できたら面白い。

私たちも、スマホのメッセージに追われる落ち着かない日々ですが、こうした隠れた良品を知る機会を感度よくキャッチしたいものです。