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「人を大切にする会社」であるお墨付きをもらう!―社労士の経営労務診断サービスとは?

Webオリジナル 2017.08.30


あなたの会社は、求職者から選ばれる「人を大切にする会社」になっていますか。

自社で「うちは大丈夫」と言うだけでなく、人事・労務管理の状況を客観的に診断してもらい、その結果を社会に伝えたい。その方法の一つである 全国社会保険労務士会連合会が実施する「経営労務診断サービス」の活用について、診断実績が豊富な社会保険労務士の河村卓氏にインタビューした。(編集部)
→関連記事はこちら「会社の取り組みや成果を客観的に診断・広報できる方法とは?」

 

●経営労務診断はどのように進められるか

社会保険労務士法人ジャパン・パーソネル・サポート 代表
特定社会保険労務士 河村 卓 氏

 

――社会保険労務士(以下社労士)として主に中小企業から人事・労務の相談や社内制度構築のコンサルティングをされていらっしゃるとのことですが、企業からはどのような相談が多いですか。

河村(敬称略 以下同) 顧問先に共通しているのは、やはり「人手不足」「人が採用できない」といった人材難に関する悩みです。危機感は強いものの「どうしていいか分からない」という声もよく聞きます。働きやすい環境の整備につなげる一つの提案として、全国社会保険労務士会連合会が推進する「経営労務診断サービス」を紹介しています。

 

――企業が経営労務診断を受けるメリットは?

河村 人事・労務管理に関して、諸規定のレビューと数値情報の把握によって現状と課題が主観でなく、客観的に明らかになることです。社労士側としても、診断サービスに沿って確認を進めていくことで、顧問先の状況を確実に把握でき、最適な提案を導き出すことに役立ちます。

 

――実際には、経営労務診断はどのような手順で行っていくのでしょうか。

河村 基本的には診断のマニュアルに沿って作業を進めていきます。

まずは、就業規則や賃金規定、退職金規定など諸規程について、きちんと整備されているか、法改正に合わせてアップデートされているか、正しく履行されているかをチェックします。

続いて、労務関連の諸帳簿(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿など)が整備されているか、適正に記録されているかの確認、さらに従業員が1人でもいれば加入が義務付けられている社会保険(健康保険、厚生年金)と労働保険(労災保険、雇用保険)への加入状況の確認を行います。

次は任意ですが、組織図や職務権限などの組織関連規定の整備状況を確認します。小規模な企業では一人の社員があらゆる仕事をこなしていることも多々ありますが、そうしたケースでも職務定義をしっかり行うことで、社内での誤解を防ぎ、業務もより効率化できると思います。

最後に、経営労務に関する基本的な数値情報――従業員数や平均勤続年数、平均賃金、役職者の女性比率等々をチェックします。勤続年数については偏りが大きい場合もあるので、散布図を提示することもあります。

ここまでがマニュアルに書かれている診断内容ですが、私はさらに、経営者や労務担当者にインタビューし、自社の強み・弱み、日頃感じている課題、自社の目指すべき姿、社員への要望なども明確化しています。

――診断にかかる期間はどのくらいですか。

河村 依頼を受けた企業での現地調査は基本的に1日です。そのうえで、各種の数値情報をデータでいただければほぼ即日、紙ベースならもう1日か2日を要して診断結果をまとめます。さらに、診断結果報告書やインタビュー内容を踏まえて、課題解決や目指すべき姿の実現に向けた制度改革などの提案をしています。

 

●企業が経営労務診断を受ける価値

――企業側の反応、評価はいかがですか

河村 診断のご紹介をすると「ぜひやってみたい」と前向きな声をいただくことが多いです。また、診断を受けた後は、さまざまな統計数値に経営者の方が新鮮な驚きを感じておられますし、明確な数字で自社の現状が説明できることを評価されています。さらには改善提案に関しても、実態を分かったうえでの話なので必要性をすぐに理解していただけます。

 

――経営労務診断の結果は、「サイバー法人台帳 ROBINS」(以下、ROBINS)に掲載・公表できますね。

河村 私は、経営労務診断をご紹介する段階から、結果の公表ありきで話をするので、意義について理解をいただいています。情報発信の機会が少ない中小企業にとって、社労士が認証した情報で“人を大切にする企業”であることをPRできるのですから、これを活用しない手はありません。

 →ROBINSとの関連記事はこちら

 

――ホームページとは違った切り口での情報発信ができる場ですね。

河村 いまは、企業なら概ねホームページを持っていますが、ROBINSに掲載されているような観点で社内の詳細情報を乗せているケースはあまりないでしょう。しかも、第三者がしっかり確認している、いわゆる“オレオレ情報”ではない公正な情報ですから、企業の信用をより高めることにつながります。

 

――ただ、すべての企業が診断の結果、掲載の基準に達するとは限りませんよね。

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