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IT活用推進へ地域の支援体制の在り方を追う―広島県の場合

2019年 春号 2019.03.12


県、商工会議所、専門家チームがタッグ
経営課題に即したIT活用をサポート
  ──広島県、東広島商工会議所、ITコーディネータ広島

中小サービス産業のIT活用をどう進めていくか─。旗振り役となり、3年前から施策を進めてきたのが広島県である。生産性向上の実現方法について知見を集めた結果、「付加価値の向上と業務効率の向上の、どちらにも資するのがIT」との見解に至ったという。

「小規模事業者が活用できるクラウドサービスが普及してきており、IT導入補助金も始まると耳にしましたので、うまく連動させようと、既知のITコーディネータの方とも相談しました」
広島県商工労働局主査の梅田宏行氏は当時をこう振り返る。

商工会議所が事務局となり支援メニューを立案

予算をつけ、地域中小企業支援センターが設置されている県内5か所の商工会議所(福山、尾道、東広島、呉、三次)に働きかけ、それぞれが地域事情に即して支援メニューを企画・展開。また、ITがわかる専門家として、NPO法人ITコーディネータ広島(ITC広島)のメンバーが支援に動く体制とした。

地域ニーズを聞き、事業をサポートしてきた同法人理事長の児玉学氏は次のように話す。
「例えば、東広島では、経営指導員・職員の皆様がITについて理解したうえで事業を進めたい、とのご要望があり、まず職員向けの研修を行いました。また、呉では、事前に企業にアンケートを取り、その結果に基づいたセミナーを企画しました」


職員研修を終えた東広島商工会議所では、2018年5月にIT活用セミナー、2回まで無料の個別支援を実施。IT導入補助金の案内も行い、タイミングが合う企業には積極的に背中を押した。

同商工会議所産業振興課の係長・川辺朋章氏は、「ITの中ではホームページ活用支援がある程度進み、会議所も中小企業の経営改善へのIT活用を支援すべき時期でした。『ITを業務にどう使えば、どう改善されるか』に気づいていただくと、IT活用のニーズが表に出やすくなります」と実感を語る。

個別支援では、川辺氏とITコーディネータ(ITC)が二人で企業を訪問。「ITツールに関する情報があふれてくると、取捨選択が重要になります。専門家の適切なアドバイスは大きかった」と川辺氏は話す。

 

地域企業をよく知る商工会議所と、経営視点でのIT活用に精通する専門家。両者の連携と役割分担が奏功したといえる。


広島県は、ITと同時に「現場改善ワークショップをはじめ製造業で培われた手法を取り入れた支援や、付加価値の高い新サービスや商品を創出するための知見・技法を学ぶイノベーション創出スクールも実施しています」(梅田氏)という。多面的な支援でサービス産業の生産性向上を推進していく。

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