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2020はこれ! 快適すぎる「かざす決済」

2019.11.07


・第一世代 スライド(磁気)
・第二世代 差し込む(IC化)
・第三世代 かざす(NFCコンタクトレス化)

マクドナルドの店頭に置かれたクレジットカード決済端末は、カード技術の歴史を示す格好の教材です。

 

マクドナルドの店頭にて。クレジットカード決済の方法は3通り

 

 

2019年はキャッシュレス決済が一躍脚光を浴びましたが、2020年の主役はクレジットカードを「かざす」決済と予想します。

テレビCMでアスリートが登場するVisaカードの「タッチ!」はご覧になった方も多いのではないでしょうか。

対応可能な店は、カードの横にこのマークがついています。

 

100円でも200円でもクレジットカードをかざすだけで支払いが完了します。請求方法はこれまでのクレジットカード利用と同じ。「Suica」などの交通ICカードと使い方はほぼ同じ。違いはチャージが不要なため「残高切れ」のエラーが起きないことです。そしてクレカを店員さんに渡さなくてよいのでカード番号を見られる心配がありません。

とにかく早くて確実なのです。

おおむね1万円以下の決済に対応しています(規程以上は、これまで同様、暗証番号です)。マスターカードやアメックスでは「コンタクトレス」、Visaではイメージが伝わりやすいよう「タッチ決済」と呼んでいます(つまり、Visaの「タッチ決済」とは「かざす決済」のことです)。

カード偽装事件が多い海外では、「店員は顧客のカードを受け取らない」のがセキュリティを保つマナーでもあり、クレジットカードやデビットカードを「Suica」同様に端末にかざすだけでよいこの方式がぐんぐんと広がっているのです。

ほんとですよ。

Visaカードが公開しているイメージ写真

 

欧州(国によって異なる)、オーストラリア、最近は米国、台湾も。オーストラリアでは、カードをかざして電車の改札への入場までできてしまいます。すでに世界の20都市で同じ仕組みが動き、構築中が150都市もあるそうです。海外では「かざすカード決済」が日本の「Suica」のような交通ICカードの役割も果たしています。

ちなみに、日本は電車が大変混雑するので、とても早く改札処理ができるFeliCa技術をもとに「Suica」などが開発されました。でも根っこのところは同じNFC技術です。

COMPASS2020年冬号にてこの様子を紹介しましたので、ぜひご欄ください。

COMPASS2020冬号 電子ブックページにジャンプ

 

私は、シンガポールの空港で絆創膏が必要になり、すでに現地通貨を所持しておらず焦ったことがありました。でも持参のVisaカードが「タッチ決済」対応でしたので、かざして無事購入できました。請求金額は196円くらい。いやー、便利で助かりました。

日本はだいぶ遅れていますが、海外からの玄関口、関西空港や成田空港では対応しており、「海外の方が使っている」ことがうかがえますね。

 

成田空港の店舗にて(下段のクレジットカード欄にかざすマークあり)

国内では、マクドナルド、ローソン、ゼンショーグループ、イオングループ、京王百貨店…など、続々対応中です。中小企業の旅館でも対応しているところがありますよ。

オリンピックのスポンサーであるVisaは、国内で発行しているVisaカードをどんどんタッチ方式可能なものに置き換えています。国内1000万人が対応カードを持ち、五輪で訪日する外国人の多くが対応カードを持つ……となれば、「かざす決済」ができないお店の「おもてなし力」には疑問符がつきますね。

キャッシュレス決済2020は、Visaのタッチ決済をリーダーとする「クレカのかざす決済」。鉄道会社やスーパー、コンビニなど系列による違いもなく、世界共通仕様。もちろんクレジットカードですから紛失時に利用を止められますし不正利用への対応もあります。

 

海外での対応決済端末例(同じマークがついている)

 

Visaカードをお持ちの方は、まずタッチ可能なカードかどうか要チェック!
私は未対応カードでしたが、取り扱いカード会社に電話したら、すぐに無料で変えてくれました。

決済の素早さとチャージ残高を気にしなくてよい安心感、爽快です。

クレジットカードは「使いすぎ」が課題です。でも、いつもと同じペースの日用品少額決済では、逆に使いすぎの心配はないんですよね。デビットカードもありますので心配な方はデビットで。とにかくまずは、体感してください!

●COMPASS ONLINE記事「国際標準・かざす決済への対応なくして、東京五輪のおもてなしはない