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【寄稿】IoT活用の取り組み―ドローンでスズメバチを退治!

2017年 夏号 2017.07.05


IoT(モノのインターネット)が拓く新しいビジネスと期待されているのがドローンの活用である。
無人飛行機が人の行きにくい場所に入りこむことで、ビジネス現場を革新することができる。
こうした取り組みの一例として、静岡県におけるドローン活用活動を執筆していただいた。(編集部)

【寄稿】ドローンでスズメバチを退治! 静岡での取り組み

執筆:株式会社Queen Bee And Drone 取締役 桜井俊秀氏


 私たちは「地方からドローンで新たな風を起こそう」と、有志を募って昨年(平成28年)3月末に株式会社Queen Bee AndDroneを設立し、「JUIDA(日本UAS産業振興協議会)認定 ドローンスクール静岡」を毎月定期的に開講しています。スクール事業と並行して、スクール受講生や卒業生とのビジネスマッチングや交流を積極的に行っており、その中からドローンを活用したアイデアや情報が数多く寄せられるようになりました。
その一つが、現在事業コラボレーション進行中の「スズメバチ駆除ドローン」開発です。

高所作業ニーズは高い

株式会社 Queen Bee And Drone 取締役 桜井俊秀氏 毒性のあるスズメバチは、ハチの巣の除去を自治体などに依頼するケースが多々あり、結果として蜂のプロである「養蜂業者」に駆除依頼がきます。樹木や構築物の軒下など高所作業を要し、多分に危険が伴うため、養蜂家や農家などの間で問題視されていました。
 そこで浮上したのが「ドローンを使ったスズメバチの巣の駆除」です。

 「多大な設備投資はできない」という条件が提示されたこともあり、低コストで開発可能な目標を設定。その結果、シンプルな構造にもかかわらず所期の目的を達成可能にする試作機が出来上がりました。
 図のように、ドローンに設置されたカメラからスズメバチの位置を確認し、遠隔からスプレー缶を操作してスズメバチの巣に噴射します。


 試験飛行からスズメバチの巣駆除実験を目指すとともに、4月下旬には特許出願も果たしました。

 「危険な高所作業を低コストな方法で回避したい」とのニーズがあり、また、ここには、「労災リスク回避」「コスト低減要請」、ひいては「人手不足解消」という多くの企業が抱える課題を解決するヒントが隠されています。
 現在、ドローンは、空撮、農薬散布、土木測量、構築物あるいは災害の現状調査などに実用化され、今後は物流や離島などへの物資輸送など法律や交通インフラの整備が前提になる分野への参入も喧伝されていますが、その多くは、未だに「実証実験」の状態です。
 中小企業としては、できる範囲の技術の組み合わせと加工技術を有する企業とのコラボレーションにより、「地に足の着いた開発」「使える技術」を実現することが重要です。

 それには、日常的なビジネスコラボレーションが欠かせません。弊社では、ドローンスクール静岡を単なるドローンの操縦技能習得の場に限定せず、ビジネスマッチングを通じて地方発展の拠点とすべく活動していきます。

●本寄稿のその後が公開されました! 記事はこちらへ

 桜井俊秀氏の寄稿:ドローンがビジネスに与える影響とは?

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