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最新技術解説 製造業とAI(人工知能)

2020年秋号 2021.05.21


AI(人工知能)とさかんに言われるが、私たちのビジネスにどのような影響が及ぶのか。
そこで、製造業のAI 活用を推進してきたクロスコンパスの鈴木克信社長に、「AI の今」を解説いただいた。(編集部)

 

株式会社クロスコンパス
代表取締役社長 鈴木克信氏
https://www.cross-compass.com/

 

昨今、人工知能(以下AI)は、「人の仕事を奪うかもしれない」ものとして、懸念の声をしばしば聞くことがあります。
 “人”による発明が生活や働き方を便利にしたのと同様に、“AI”も人が創造する社会変革の副産物です。人々の暮らしをもっと豊かにするために、“AIが支援”します。

人手不足とAI活用

生産年齢人口の減少や生産性向上へ自動化を推進する動きが急速に高まっている製造業では、AIが活躍する場が多くあります。私たちクロスコンパスはこの分野のAI活用に重点を置いてきました。

製造現場では、振動、音をはじめ、様々なデータを元に、熟練者の勘・感覚や経験を加味しながら予知保全や検査工程を運用しています。

次の世代が同レベルに熟練するまでには時間がかかり、人口減少下では、そもそも該当者がいないかもしれません。そのような熟練者の複雑な判断を支援する手法の一つがAIです。

AIは、現場で収集されるビッグデータから正常/異常の特徴量を自動的に見出すだけでなく、複数のカテゴリーに瞬時に分類し、熟練者が長年かけて掴んだ勘やコツと同レベルで判断することができます。

人材育成にはお金と時間がかかりますが、退職による技術継承の問題や属人的判断に頼ることなく技術を伝承し、製造ラインの効率化を図ることができます。

AIの精度・性能はデータの質に左右されますが、あらゆる事象をデータ化する動きが進むなかで、企業活動におけるAIの応用はかなり広範囲になっています。

感覚や経験による判断の継承に加え、AIのデータ分析機能を活用することで、従来人間が認知できなかった事象の新たな発見も可能になってきました。

AIをもっと身近に

当社は、ディープラーニングを手掛け始めてから早5年、製造業のお客様に生産・作業現場の課題に沿ったAI技術を用いたサービスを提供しています。例えば、人手不足が顕在化した社会では、AIを活用した自動化やロボティクスによるピッキング技術や人との協働作業が求められます。

ただ、AIへの期待度が高まる一方で、AIに対する知識や導入までにかかる開発期間・費用等の障壁があるのも事実です。

そこで、製造業のお客様向けのAI技術コンサルティングやAI開発事業で培ったノウハウをもとに、AI活用を身近にするAI生成ツール「MANUFACIA」を開発しました。

クロスコンパス 「MANUFACIA」

「MANUFACIA」は高度なAI技術者を必要とせず、極めて短時間かつ低コストでAIの開発が可能になります。時系列データ・振動データ・画像データという製造業の現場の製造・検査工程で必要とされるデータ処理の機能をすべて兼ね備えており、「MANUFACIA」を1台、工場に置くことで、製造業の製造ライン・検査工程の課題に対応可能となります。
パソコン上でAI生成を行える「MANUFACIA-CPU」の提供も開始しました(実装の手前まで可能)。

AIを日本のものづくりに役立てていただければと思います。


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