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IT導入補助金2019の詳細決定&事業趣旨を経済産業省に聞く(2019年5月改訂)

2019年 春号 2019.05.16


<編集部からのお知らせ>

2020年に実施される、令和元年補正のIT導入補助金は、最新記事をご覧ください。

 

<編集部からのお知らせ>

「IT導入補助金2019」詳細が発表されましたので、一部加筆修正しました。

COMPASS編集部

 

生産性向上へのIT活用を推進すべく、国の施策においても、IT活用を意識した補助金が実施されている。

2017年からスタートした「IT導入補助金」は、当初、ITベンダーが補助事業者(ユーザー企業)の申請を支援するという、新しいスタイルをとった。 ITツールも、市販されているパッケージソフトやクラウドサービスなど(事務局に登録されたもの)、業務を具体的に支援するものを対象とした。

2018年には6万社を超える事業者が活用。補助金の利用者からは、「この補助金で背中を押してもらった」「商工会議所が主催する補助金のセミナーに参加して教えてもらい、具体的に前に進んだ」など、良いきっかけになったとの声が聞こえている。

 

IT導入補助金2019がスタート

 

2019年の第一回、申請受付開始は2019年5月27日からである。第二回目は7月ころを予定しているという。

2018年からの大きな変更点は3つ。

・補助額が下限40万円〜上限450万円と上がったこと。
 補助率1/2は変わらないので、80万円以上の投資が対象となる。
 補助額150万円を境に、A類型(補助額150万円未満)、

 B類型(150万円~450万円)に分かれる

・単純なホームページ作成のみの申請は受け付けない

・申請は補助金を受ける中小企業が行う

2019年のコンセプトは、複数の業務プロセスをまたいでのIT活用やRPAなど、単機能ではなく会社全体の生産性向上に寄与するものであること。

そのためソフトウェアにおいては、A類型では2つ以上、B類型では5つ以上、指定された業務プロセスを含むソフトウェアを選ぶ必要がある。またソフトウェアの導入に付随するオプションと役務も対象になる。

 

 

 

対象となるのは、、あらかじめIT導入補助金事務局に登録されているものとなる。業務プロセスの条件を満たすかどうかは、使ってみたいITツールを提供するITベンダー・コンソーシアムに問い合わせるのが早いだろう。

 

<IT導入補助金に関するお問い合わせ先>

IT導入補助金事務局 一般社団法人サービスデザイン推進協議会

 

以下の記事は、COMPASS春号発行時においてIT導入補助金の趣旨と背景を解説したものである。


IT導入補助金のコンセプトと目指すもの

 

IT導入補助金は2019年も実施される。

予算総額は100億円。おおよそ7000社ほどの採用が見込まれており、2018年より「狭き門」になりそうだ。

小規模企業の少額IT投資・ホームページ作成については、「小規模事業者持続化補助金」の利用がお勧めだ。また、対象企業のみになるが、軽減税率が適用される予定の企業のPOSレジ導入などは、軽減税率対策補助金を利用すると良いだろう(本記事の最後に概要表を掲載した)。

 

さらなるIT活用推進のためには、ITベンダーが自ら動いて補助金を案内するアプローチは継続する一方で、中小企業支援機関からも、生産性の向上へITを活用してもらう働きかけが欠かせない。経済産業省では、IT活用を地域で支援できる体制づくりへ、研修会の実施をはじめサポートを進めている。その詳細をインタビューした。

 

IT導入補助金2018から2019へ
 ─経済産業省 サービス政策課に聞く

2019年はまとまった投資にも対応
 推進のカギは地域支援者の“応援隊”

 

2019年1月末に第三次公募の事業実施報告を終えた2018年のIT導入補助金。6万3000社近くが利用し、中小企業のIT活用を後押しした。

サービス政策課・総括係長の平川怜奈氏は次のように結果を総括する。
「申請事業者は、従業員5人未満が半数以上、50人未満までで9割を超えました。当初の目的でもある小規模サービス産業にリーチできたといえます。また、業種別では建設業が多く、人手不足への対策としてIT活用に注目が集まりました」

IT導入補助金の案内やフォローに組織的に力を注ぎ、ユーザー企業を支援するITベンダーも見られたという。

途中、応募機会の増加・採択通知の迅速化、事業終了報告を5年から原則1年に、と実施内容の軌道修正が行われた。こうした施策では珍しいことだが、8月以降申請数が大きく伸び、2週間で採択結果がわかるスピード感も好評だったという。

2019年は、補助の最低額が15万円から40万円に引き上げられる。
「統合型のパッケージやEDI、RPA、企業間連携が視野に入っているサービスなど、まとまった投資が必要なITツールにも対応します」と平川氏。過去に構築したシステムを時代に合わせてリプレースするケースも想定されている。

 

補助金の実施と並行して地域の支援体制構築も

中小企業のIT活用推進には、支援者の存在が不可欠である。全国で1000回を超える補助金説明会のほか各機関への働きかけ、中小企業支援者向けの研修会「プラスIT研修」を実施してきた。

同課専門官の溝口豪氏は、「研修を通じて支援機関とITベンダーがネットワーキングできた地域もあります。今後、経営とITの間を取り持ってくれる方を“応援隊”として発展させたい」と支援基盤の必要性を語る。

背景には、「ITのわかりにくさ」がある。専門官・玉置真啓氏は、「ITベンダー側はITツールの利点・活用方法をわかりやすく伝え、支援機関の方は業務の棚卸しを支援する過程でITが必要な個所を発見。互いがそれぞれの長所を生かしながら共通言語を持って支援が進むことを期待したい」と話す。

2019年2月には、この趣旨で支援機関とITベンダー向けに「プラスIT研修・実践編」を実施。4月以降の施策へつなげていく。

IT導入補助金の目的は、サービス産業の生産性向上である。ITは目的ではなく手段の一つ。「趣旨を多くの方々に理解していただけるよう、普及啓発を続けていきたい」と同課・課長補佐の斉藤雅彦氏は決意を語った。

そのほか、IT関係の補助金を下記に示す。

*上記の情報は、COMPASS2019年春号発行時(2019年2月)


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