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コロナ禍で情報発信に一層の注力、人材を育て若手・女性が力を発揮

2021年春号 2021.09.05


※高嶋博会長(右)と製造部門に勤務する石本みゆき氏(左)

 

<企業再訪>

本誌にて事例紹介した2018年春、三元ラセン管工業では、総務部でパート勤務をしていた女性が正社員に、それも製造現場での業務に就いたところだった。
3年が経過し、「周りの方に教えていただきながら、寸法に合わせた細かい調整もできるようになりました」と生き生きとフレキシブルチューブの製造にあたる姿を見て、同社が持つ人材育成への底力を感じた。

会社名 三元ラセン管工業株式会社
住所 大阪府大阪市城東区永田1丁目2番37号
代表取締役 味岡友和氏
設立 1978年
従業員数 25名
事業内容 ベローズ、フレキシブルチューブ等の製造
URL https://www.mitsumoto-bellows.co.jp/

「働き方改革」という言葉が生まれるはるか前から、残業なし・休みが取りやすい会社を目指して改革を続けた。未来を見据えてISO9001取得を決断し、人材を集め育成することを優先課題に据えたからだった。

「価格競争が激しい量産品をやめ、技術力を高めて受注生産型に転換しました。無理な受注はお受けしない代わりに、納期を守り、型の保存が不要という利便性を提供しました。社員が自発的に学び多能工化することで、誰かが休んでも仕事が止まらない体制ができたのです」
高嶋博会長はこう説明する。設計図面のデータベース化など、積極的にITを活用して効率化も図っている。

 

コロナ禍の一番の危機は展示会の開催中止

Webで情報を発信し、展示会で直接現物に触れてもらうのが同社の営業スタイルだ。しかし、コロナ禍で展示会が軒並み中止に。「触れる」部分はネットでは代替できない。

「こればかりは回復を待つしかありませんが、そのぶん、特に大手企業からのWebサイト訪問が増えました。動画のPRコンテンツを作ったり、若手が自発的にYouTubeチャンネルを作ったり、さらなる情報発信に注力しています」とのことだ。

若手が積極性を発揮できる背景には、社内風土もある。「上から叱る」ことはなく、意見を出しやすい環境にしている。コロナ禍で飲み会ができず意思疎通を図りにくいという声も聞くが、「勤務時間内にコミュニケーションが取れており、もともと飲み会はなかったので、影響を受けていない」という。新人に対し、ベテランをはじめ周囲が丁寧にサポートできるのも、こうした環境によるところが大きい。

製造業の業務特性からテレワークはできないが、時差出勤や自転車・バイク通勤を認めることで、安全性を確保しながら業務を続けている。

新しいことにチャレンジし力を伸ばす楽しさや働きがいは、就業上の条件の良さ以上に、「職場の魅力」を形成し、会社の力となる。


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